2009年09月24日

タヌキ

 タヌキ(狸、学名 Nyctereutes procyonoides)は、哺乳綱ネコ目イヌ科タヌキ属に分類される動物。本種のみでタヌキ属を形成します。本来は、日本、韓国、北朝鮮、中国、ロシア東部に生息していましたが、1928年(昭和3年)に毛皮をとる目的でソ連(現 ロシア)に移入されたものが野生化し、ポーランドを経て、フィンランドやドイツにも生息しています。近年ではフランスやイタリアでも目撃例があります。ずんぐりとした体つきで、足が短く、尾は太いです。体色はふつう灰褐色で、目の周りや足は黒っぽくなっています。

 食肉目(ネコ目)の共通の先祖は、森林で樹上生活を送っていましたが、その中から、獲物を求めて森林から草原へと活動の場を移し、追跡型の形態と生態を身につけていったのがイヌ科のグループです。タヌキは森林での生活に適応したイヌの仲間であり胴長短足の体形等、原始的なイヌ科動物の特徴をよく残しています。

 夜行性で、単独もしくはペアで生活します。ペアは相手が死ぬまで解消されません。50ヘクタール程度の行動域をもちますが、複数の個体の行動域が重複しているため、特に「なわばり」というものはもっていないようです。

 死んだふり、寝たふりをするという意味のたぬき寝入り(擬死)とよばれる言葉は、猟師が猟銃を撃った時にその銃声に驚いてタヌキは弾がかすりもしていないのに気絶してしまい、猟師が獲物をしとめたと思って持ち去ろうと油断しますと、タヌキは息を吹き返しそのまま逃げ去っていってしまうというタヌキの非常に臆病な性格からきています。

 冬眠の習性はありませんが、秋になると冬に備えて脂肪を蓄え、体重を50%ほども増加させます。積雪の多い寒冷地では、冬期に穴ごもりすることが多いです。タヌキのずんぐりしたイメージは、冬毛の長い上毛による部分も大きく、夏毛のタヌキは意外にスリムです

 食性は雑食で、ネズミ、カエル、鳥類や卵、魚類、昆虫類等の小動物のほか、果実など植物質のものも食べます。木に登って柿やビワのような果実を食べたり、人家近くで生ゴミを漁ったりすることもあります。


ため糞

 タヌキが持つ興味深い行動に、ある決まった場所に糞をする「ため糞」習性があります。1匹のタヌキの行動域の中には約10カ所のため糞があります。くり返し同じ場所に糞をしますので、センチコガネなどが壊すことさえなければ、堆積した糞は半径が50a、高さ15aもの山塊となります。

 タヌキは雑食です。春や秋はヤマモモ、クワ、ムベなどの果実、夏にはコガネムシやバッタなどの昆虫、これらの餌が少ない冬には、ミミズやムカデなどを食べていました。イヌの仲間とはいえ、タヌキは巧妙なハンターではありません。

 彼らの主な生息環境は森林やその林縁部です。その地面をごそごそとうろつき、その季節で手に入りやすいものを拾い食いする「何でも屋」的な採食行動をしています。


生活

 日没の1時間前、タヌキは行動を開始します。真夜中の休息をはさんで、日の出までを餌探しに費やします。一日のほぼ半分を活動に当てていることになります。昼の休息場所は草の茂みや木の洞などです。

 行動域は休息場所、採食場所、休息・採食場所、そしてそれらをつなぐ通路で構成されていることがわかりました。タヌキの行動域は50ヘクタール前後。彼らの行動域は雌雄に関係なく重複していました。タヌキはなわばりを持っていないといえそうです。

 タヌキは3月に入って交尾し、5月半ばに5匹の子が生まれます。出産から育児期にかけ、雄は父親として目ざましい活躍をします。雌が出産中は巣のそばにじっと座り込み、雌と生まれたばかりの子を守ったり、時には巣に入ってまだ濡れている子ダヌキのからだをなめてやります。子が生まれて2〜3日は、雌は子のそばから離れようとしませんが、雄はその雌に餌を運びます。雌が子を巣に残して餌をとりに出てくるようになりますと、雌と入れ替わりに雄は巣の中に入って、雌とまったく同じような姿勢で子を抱いて毛づくろいしてやります。

 子ダヌキが固形物を口にするようになりますと、子へも餌を運ぶようになります。さらに、子ダヌキが活発に活動するようになりますと、雄はその遊び相手にもなります。ちょうどこの頃、7月の半ばを過ぎますと、野外では一家揃っての採食活動がみられるようになってきます。

 出産から80日後くらいまでが、家族としてのまとまりが最も強い時期です。子ダヌキがほぼ親と同じ大きさになる生後100日あたりから、家族は親は親、子は子だけというふうに親と子のつながりが弱くなってきます。そして、子の間のつながりもしだいに弱くなり、分散が始まります。

 季節は秋、分散した子は独立生活を送るようになります。したがって、タヌキの一年はペア、家族の形成、そして家族の解体が3月から10、11月の間に起こり、その後はペアは幾分弱いつながりを持ちながらも、単独の生活を送ります。そして次の繁殖期も同じペアで迎えるようです。
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posted by ss at 23:25| タヌキ・狸・たぬき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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